カーボンブラシとは

モータがまわる仕組み

どこに使われている?

 

自動車電装用カーボンブラシ

電動パワステ、燃料噴射ポンプ、ワイパー、パワーウインド、
スロットルコントロール(ETC) ABS(アンチロックブレーキシステム)、
ドアロック、ドアミラー 等の各モータ駆動用

 

電動工具用カーボンブラシ

丸ノコ、電動ドリル、グラインダー、インパクトドライバー、
電動ドライバー等の各モータ駆動用

 

クリーナー用カーボンブラシ

家庭用の掃除機モータ 等

 

マイクロモータ用カーボンブラシ

ドライヤー、電動歯ブラシ、
ジューサーミキサー、フードプロセッサー、パソコン、
デジタルカメラ、プリンター、自動販売機 等

 

スリップリング用カーボンブラシ

観覧車、風力発電機、オートリール 等

カーボンブラシができるまで

オーパックのカーボンブラシは、「粉末冶金法」という製法で製造しています。 粉末冶金法とは、数種の金属粉末を原料とし、これらを適度な割合で配・混合したのち、成形型に入れ、 高圧力で成形し、さらに炉中にて金属の溶融点以下の温度で加熱焼結して材料や金属製品を製造する方法で、 広い意味ではカーボンや酸化物など、非金属粉を原料とする場合も含みます。

材料
混合
成形
焼成

カーボンのひみつ ~なぜカーボン(炭素)が使われるの?~

炭素原子で構成されている物質には、ダイヤモンド・黒鉛・コークス、それと最近良く名前を聞くカーボンナノチューブなどがあります。これらは炭素の同素体と呼ばれますが、このうち黒鉛には、

電気の良導体である
摩擦係数が低い
耐薬品性が高い
耐熱性が高い

と言う特徴があります。これらはその結晶構造によって特徴付けられています。
黒鉛の結晶構造は層状をしており、層内(X 方向) では炭素原子が
強い共有結合で結びついています。これとは反対に層間(Y 方向) では
弱いvan der Waals 力で結合しています。
黒鉛はこの結晶構造により、層内(X 方向) では金属と同程度の電気
抵抗を持ち、層間(Y 方向) では非常に低い結合力の為、外力が働くと
簡単に層間剥離を起こし、摩擦係数を低くしています。

黒鉛は我々の身近で、鉛筆の芯に使用されていますが、層間で剥離した黒鉛が紙に着くことで文字が書かれ、
黒鉛が層間で剥離する時の摩擦が少ない為に、紙が破れたりしないわけです。
次に、カーボンブラシに必要とされる材料特性として、高速回転(移動)体に低い摩擦力で、
かつ多くの電流を受給電でき、発熱や酸化にも耐え得る事が要求されますが、
これらの要求特性に対して黒鉛の持つ特性はぴったり一致しています。
これがカーボンブラシに黒鉛が使用される理由です。
黒鉛を得る為には、空気を遮断した状態で有機物を熱分解し、炭素含有率の高い個体を得ます。
これを炭素化( 炭化) と呼び、得られた物質を炭素と呼びます。それを同じく空気を遮断した状態で
高温(2,500℃以上) 処理( 黒鉛化) することで、結晶の発達した黒鉛を得ることが出来ます。
このようにして人工的に得られた黒鉛を人造黒鉛と呼び、自然界で出来上がったものを天然黒鉛と呼びます。
このように炭素原子で構成される物質にはさまざまなものがあり、全ての有機物、
ひいては生命活動にも密接に関係する特別な元素なのです。
このことから海外では炭素をBlack Art( 黒い魔法) と呼ばれており、
カーボンナノチューブ等の発見は、この魔法の力をより確実なものとしたのかもしれません。

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